6.15.ミュージカル千秋楽を終えて


 


モーヲタ軽部アナが遂に娘。と同じステージに登場するというサプライズもあった千秋楽。
メンバーの雰囲気も客席の雰囲気も千秋楽は独特な感じがあっていつもとは全然違いました。
この日はアドリブも連発したり、フットサル部とすきやき部のモノマネコーナーは全員が挑戦したり、
ミキティと辻ちゃんのコーナーも普段より長かったりと色々あって、3時間を越す長丁場でした。
最後一旦幕が下りてから、再び幕が上がり全員で一本締めをして大団円。

記者会見で内容が初公開された時から、設定がむちゃくちゃでどうなるのか?との声があがり、
初日を終えた後は、酷評の嵐だった今回のミュージカル。
ストーリーや展開に関しては、確かに絶賛できるような物じゃないかもしれないけど、
なんだかんだ3回とも私は楽しく見れましたね。
そもそも、脚本うんぬん言うんだったら、「LOVEセンチュリー」以外はぶっちゃけどれもアレだったわけだし。
よく考えたら「キッチンズバーガー」よりはストーリーもマシだろ?って思えるし(w
メンバー間で出番に差がありすぎってとこも今までもあった話ですしね。
なっち、ごっちんと今までストーリーの柱となっていたメンバーが抜けた後の娘。ミュージカルの形としては
こんな感じなのかな?と3回見た私は納得しました。


ミュージカル全体に関してはこんな感じの感想ではあるんですが、加護ちゃんに関しては全然違います。
加護ちゃんにとって4回目のミュージカル。
1回目の「LOVEセンチュリー」は、病弱な女の子を見事に演じ「女優・加護亜依ここにあり」
と見るものを驚嘆させてくれました。
2回目の「モーニングタウン」は、天才的なアドリブで見るものを笑いの渦に。
3回目の「忠臣蔵」は羅舞羅舞隊で「真・ミニモニ。」を思い出せる見事なコンビネーションプレイで
我々を魅了してくれました。
卒業を目前に控えた娘。としての最後のミュージカルでどんな役どころでどんな演技を見せてくれるのか?
テーマ曲となった「浪漫」を聞く限りでは、あいのの2人は今回のミュージカルでは脇役的な役回りか、
飛び道具的に笑いを取るような役に回されるのでは?との思いがあったのは事実。
「エコエコレンジャー」と聞いた段階で覚悟はしてました。

しかし、蓋を開けたら完全に主役。ストーリーに一番絡む走召重要な役まわり。
主役だって事や出番が多いって事だけがうれしい訳ではありません。
今回は過去3回のミュージカルの集大成的な演技を見せてくれたって事、役者としての凄みに圧倒されました。
「LOVEセンチュリー」で見せてくれたあのシリアスな表情、あれから3年、
今の加護ちゃんはあの時よりも役者として格段に進歩してます。
当時は演技というものをほとんど経験してない段階で、持って生まれた才能のみで
あの素晴らしい演技だった訳ですが、あれから数々のドラマに出演して来て、
今では原石が磨かれまくった状態です。
当時もすでにオーラが漂ってましたが、今の加護ちゃんはあれ以上のオーラを感じます。オーロラです。
ステージ上で加護ちゃんがセリフを言うだけで、会場中の空気がピタッと止まるような感覚。
ステージの空気を一瞬にして自分に引き寄せてしまうあの存在感は全出演者の中でも格が違いました。

ドラマの中でカギを握る重要な役どころ。そして難しい役。私みたいな素人が見てても
大変な役だなぁと感じます。
物語が進むにつれ、心境が変化していく。悩み考える。
ヘタすると、非常に暗い雰囲気になってしまう可能性がある役だと思います。
暗い感じや説教くさい感じにエコを訴える雰囲気になる危険性があったと思う。
そこを加護ちゃんの名演技で笑いも混ぜながら明るい雰囲気とシリアスな雰囲気を
上手くブレンドした感じで展開されるんですよね。
派手に見えないけど、この難しい役を完璧にこなしている加護ちゃんはやっぱスゴイです。脱帽です。

1つのシーンでのセリフも加護ちゃんはかなり長かったです。
特に、体育館での2回のシーンはどちらもかなり長セリフでした。
あれだけのセリフを完璧に覚えて見事に演じきる、それだけ脚本家に頼られてるって事でしょう。

「モーニングタウン」の頃はすでにTVドラマにも出演、2年目のステージということもあり、
「演技する」ということが楽しくてしょうがなかった頃だと思います。
普通に演じるだけではつまらない。何か自分で新たに加えたい。
その加護ちゃんのクリエイティブ気質が存分に出たのがあの時じゃないでしょうか。
あれから2年。「こち池」では共演者が感服するほどの名アドリブを見せてくれます。
加護ちゃんがアドリブを入れることは当然のように脚本に組み込まれている訳です。
脚本にある加護ちゃんのセリフ半分以上は
「ここは加護さんのアドリブでお願いします。」と書かれているハズです。
加護ちゃんのアドリブはアドリブだけど、加護ちゃんがアドリブ入れることはすでにアドリブではない訳です。
スタッフ、共演者、そして観客と見ている人すべてがアドリブを期待している、
その状況の中で、期待を上回るアドリブを披露してくれる。これぞ神技です。

ミキティとのガチンコバトルは今回のミュージカルの中でも最大の見せ場でした。
ミキティという強者とここまでガチでぶつかったのは今回が初めてです。
加護ちゃんが神がかり的なボケを見せ、ミキティの鋭利なツッコミと絡み合う様は鳥肌ものでした。
最後のミュージカルで今後の娘。を背負ってたつエース藤本とタイマン張れたっていうのは、
加護ちゃんにとってもミキティにとっても良い経験となったハズです。
なによりこれが見れた私達が幸せ者です。
さくらコン寸劇でのよっすぃ〜、今回のミキティと強者と渡り合ってる時の加護ちゃんは本当に楽しそうでした。
楽しみながらもスゴイ芝居を演じる。高い次元に行けば行くほど力を発揮する。
加護ちゃんと芝居をすると相手の役者の演技も引き上げられる訳です。
渡辺謙が加護ちゃんと共演した後に「ラストサムライ」でアカデミー賞にノミネートされたのは有名な話です。
ある意味、加護ちゃんが助演女優賞を貰ってもいいぐらいです。


娘。ミュージカルで「LOVEセンチュリー」を超える作品は今後もなかなか難しいとは思いますが、
私の中では加護ちゃんの演技という点で、今回のミュージカルが過去4作の中で
一番楽しめました。
笑いとアドリブとシリアスな演技と素晴らしい歌声。
今までのミュージカルの集大成を見せてくれた加護ちゃん。
来年はWとしてのミュージカルでどんな素晴らしいステージを見せてくれるのか楽しみです。


全20公演完走、お疲れ様〜!!