6.20.ダディドゥデドダディ!






ブレーメンを見た時、これを越える映像にはしばらく出会えないと思った。
「デュオU&U」を聞いた時、これを超えるものはそう簡単に作れないと思った。
人の欲望は際限がない。最高の物を手に入れても更に上の物が欲しくなる。
アーティストがどれだけ素晴らしい作品を作りあげても、人々は更に上の物を期待し続ける。
どんなに優れたアーティストでも所詮は人の子。
その才能には限りがある。ピークがある。

しかし、ここに神がいた。女神がいた。
「ブレーメン」の感動も「デュオU&U」の衝撃も上回る作品。
ありえない世界がここにある。

カレン・カーペンターが生きていたら、この歌声に嫉妬しただろう。

ヴィヴィアン・リーが生きていたら、この美貌に嫉妬しただろう。

夏目雅子が生きていたら、この表現力に嫉妬しただろう。

マリリン・モンローが生きていたら、この天使のような笑顔に嫉妬しただろう。

力石徹が生きていたら、ダディドゥデドダディ!






「ダディドゥデドダディ!」の映像

品川水族館のトンネル水槽。
そのトンネル内をゆっくりと歩きながら歌う加護ちゃん。
始まりから終わりまで、一度もカット割りなしで加護ちゃんの歌っている姿を
ワンショットで撮り続けている。
ただそれだけ。他に余計な演出は一切なし。
加護ちゃんが一人で自由に自分の歌いたいように歌っている姿。
歌い方の指示もダンスの指導もない。
「ダディドゥデドダディ!」という曲を加護ちゃん自身の解釈で表現で歌っている。

一瞬たりとも加護ちゃんが視界から消えることのない映像。
おそらく元々はワンカットで撮り続けるという演出ではなかったハズだ。
加護ちゃんが水槽の魚を見つめる映像なども使用する予定だったハズ。
しかし、このシーンを撮り終えたスタッフはこのミラクルな映像を見て
あまりの凄さに予定を変更せざるを得なかったのであろう。
この映像に手を加えることはできない。
これを作品としてそのまま残さないと。そう思ったのだろう。
この撮影スタッフは大した仕事はしていないが、余計な演出を加えないと判断した点はGJだ。
G・亜依・Jのピストルだ。

つんくも驚きまくっていたが、加護ちゃんの多彩な表情に圧倒される。
1曲をワンショットのみで撮り続けるというのは異例中の異例な事であるが、
それを見事に素晴らしい作品として完成させたのは加護ちゃんの見事な表現力のお陰だ。
加護ちゃんの表情を見ているだけで、私自身が女子中学生になって
青春時代を体験した気にすらなってくる。おさげ髪気分である。



「ダディドゥデドダディ!」の歌声

「デュオU&U」で加護ちゃんの歌声の素晴らしさは思う存分堪能できた。
「白い色は恋人の色」の加護ちゃんの歌声を聞くと脳内から出るアルファ波の量が膨大になり、
神経が集中しとてもリラックスできるという事が証明された。ナチュラルトリップソングだ。
日本語の歌詞が分からない中南米の人に聞かせたところ、不思議なことにアルファ波の量が
通常の30倍になったとの報告もある。
加護ちゃんの声そのものが精神をリラックスさせる効果があるということだ。
合法的にトリップできるということで、キューバなどでは「デュオU&U」が密かなブームに
なっているという。
なかでも「白い色は恋人の色」は「ホワイトスノー」と呼ばれ、コカイン常習者の間でも
爆発的な人気を博している。
これから海外に出かける方が居たら、ぜひ「デュオU&U」をお土産に持って行って欲しい。
非常に喜ばれるハズだ。

今回の「ダディ」は「デュオU&U」の曲以上にリアルに加護ちゃんの歌が伝わって来る。
「今の私の気持ちにピッタリ。青春って一回きりなんだってすごく思います。」
と語った加護ちゃん。
等身大の加護ちゃん。今の加護ちゃんのリアルな心境に近い歌詞。
私はこの曲を加護ちゃん自らが選んだと思っているのだが、自分で歌詞を書くようになったと
最近語っているように、自分の伝えたい事を歌にしたい、歌いたいとの気持ちが
今とても強くなってきてるんだろうなと感じる。

あいののが卒業が発表された時に「デュオでデビュー」という部分に悲観的な意見が多かった。
確かに、ソロとしてここまでの歌を披露されてしまっては、私もソロを見たい!との欲求が再燃してくる。
Wとソロの両立。Wとしての活動もあり、ソロとしての活動もある。
Bzの稲葉のようにBzであってもソロであっても区別がつかない活動ではなく、
あいのの2人のソロ活動にはソロならではのWとは方向性の違う活動をしてくれるハズだし、
Wとしての活動にも大きな好影響を与えるハズだ。



「ダディドゥデドダディ!」という曲

「ダディドゥデドダディ!」と言えば、私の中では武道館での市井ちゃん卒業ライブ。
この曲を聞くとあの景色、あの時の空気がすぐに思い出される。
私にとって非常に思い出深い曲である。
「一回きりの青春 だからいいじゃん」その歌詞通りに、夢に向かって飛び出していった市井紗耶香。
彼女が16歳の2000年5月の時である。
あれから4年。今度はモーニング娘。卒業を2ヵ月後に控えた加護ちゃんがこの曲を歌った。
加護ちゃんは今16歳。当時の市井ちゃんと同じ歳。
学年で言うと高校2年生、来年高校3年生になる自分の事を色々と考える時期だと思う。
自分の将来、自分の進むべき道。その非常に重要な時期にこの曲を歌った。

市井ちゃんと言えば、ごっちんの教育係。
そのごっちんが教育係を努めたのが加護ちゃん。
ごっちんを間に挟んだ関係のこの2人が同じ年齢、同じ時期にこの曲を歌ったって事は
私の中で非常に意味が深いことでもありとても感慨深い。
そのごっちんも16歳の時「ダディドゥデドダディ!で終わるライブをソロでやってみたい」と、
モーニング娘。在籍中にアンケートの答えに書いていたことがあった。
この年代の女の子にとっては非常に共感できる曲なのかもしれない。



「ダディドゥデドダディ!」その後

「今の私の気持ちにピッタリ。青春って一回きりなんだってすごく思います。」
「この事をファンのみんなにも知ってもらいたい。」
加護ちゃんはそう語ったそうだ。
これは加護ちゃんからの走召重要なメッセージだ。
私達は今まで加護ちゃんから直接的なメッセージはあまり受け取ることができなかったが、
自らこう公言したという事は非常に重要な事である。
加護ちゃんは今まであまり自分がやりたい事を表に出すことをしなかった。
しなかったというか、私は加護ちゃんがどこを目指そうとしているのか、何をしたいのか、
あまり理解できなかったという方が正しい。

しかし、娘。卒業が決定し、Wとしての活動が始まってからの加護ちゃんは
自ら曲を作りたいとの発言や、今回の「青春って一回きりなんだ」発言を聞くと、
新たなステージでやったるで!魅せたるで!との意気込みがビンビンに伝わって来る。
そして、「ファンのみんなにも知ってもらいたい」発言だ。
「うちもボチボチ本気出すさかい、あんたらも必死について来てや!」
「今のうちの活躍を目かっぴらいて見といてや!!」
ってことだろう。

デビューから4年。加護ちゃんにとっても完全フルスロットルで突き進む時期が来た。
今までは実力があってもそれを100%発揮できる場は限られていたが、
モーニング娘。という枠から飛び出した加護ちゃんには無限の可能性がある。
そしてなにより、今まで闘争心をあまり前面に出して来なかった加護ちゃん本人が
めっちゃその気だって事が分かった訳で、こうなったらうちらファンも死ぬ気でいくしかない。

「ダディドゥデドダディ!」という奇跡的な作品が出来上がったが、
本気を出した加護ちゃんにとっては、まだまだ挨拶程度の作品なのであろう。
恐ろしい。この先、どれほど素晴らしい作品を我々に見せてくれるのか。
想像しただけで武者震いがしてくる。

加護亜依という今世紀最高の表現者の歩みをタイムリーで見届ける事ができる幸せを
もっとみんな真剣に感謝した方がいい。
「ダディドゥデドダディ!」を見ても、「あぁー加護ちゃんかわいいなぁ」「綺麗な映像やなぁ」
しか思わない人は今を生きる資格がない。
次世代の加護亜依信者に対して失礼すぎる。
100年先の人類は加護亜依という人物の作品を追体験することはできるが、
リアルタイムで見ることはできないのだから。
そのありがたみを心に刻み込んでもらいたい。
我々は加護亜依という奇跡を次世代に伝える義務があるということを。




この一週間で「ダディ」という言葉を世界で一番使った自信がある男、ダディ・亜依・Jのピストルでした。