9.7.大阪事変〜Wスタンバイ大阪公演〜



すでに17公演が終了したWスタンバイツアー。
17公演中13公演に参戦して来たが、今回の大阪日曜夜公演が私の中では現時点のベスト公演と言える。
今回のツアーで唯一の関西公演である大阪。
関西出身の加護ちゃんにとっても凱旋公演に近い形であり、気合の入り方も違っていたハズだ。


(土曜公演、MC)

「今日はさ、大阪じゃないですか?関西弁とかさ、喋ってみたりする?」

「いいですね!」

「久しぶりやね!」

「あいぼんは関西出身ですよね。」

「そうなんですよ、隣りの奈良県という場所で生まれ育ちました。」

「おかえり〜!!(笑)」

と、関西人であれば狂喜乱舞して大喜びするようなMCがあったにも関わらず、
この時の観客の声援の少なさに私は愕然とした。
ここはみんなで「おかえり〜!」って2人のテンションに合わせて一緒に盛り上げるとか、
大きな拍手を送るとか、おもいっきりリアクションで返す場面。
この時の観客の薄さには見てて冷や汗が出た。
頭に来たんで隣りで見てた生粋の関西人であるでんでん氏を関西人代表として
サイリウムでひっぱたきたくなる衝動にかられたぐらいだ。

加護ちゃんは関西出身なので、私は関西人に対してうらやましいと思うことが良くある。
やはり同じ関西人同士ならではの分かり合える事とかもあるだろうし、
微妙なニュアンスなども私のような関東人には分からない事もあるかもしれない。
加護ちゃんがWとして初めてステージに立つ、その初日の公演でこの観客の薄さ。
「二人ゴトも放映してないし、関西は工房ヲタは少ないで。」と事前にでんでん氏に聞かされていたが、
会場着いた途端に、いたるところに「りさこハッピ」や「ベリーズTシャツ」を着たヲタがうじゃうじゃ居て、
加護ちゃんや辻ちゃんの名前を背負ってるヲタはあまり見かけない。
天下の大阪も地に落ちたもんだなと正直落胆した。

そんな観客の薄さをステージに居た2人も察知したのだろう、日曜公演からは
このしょっぱい大阪の客を自らの力で奮い立たせに来た。


(日曜日昼公演)

いつものようにMCコーナーの途中でステージ前方に降りてくる。

「大阪ですよ、ここは!」

「ここは、大阪ですね!」

「そんな大阪にちなんだ、この曲を!」

観客大歓声!!

「みなさん!デュオU&Uというアルバム聞きましたか?」

観客大歓声!!

「その中でですね、大阪ラプソディという曲を・・・」

観客大歓声!!

加護ちゃんは歌いだし直後の「そぞろ歩く宵の街」の部分で
どうしても音程が高くなってしまい何度もやり直していた。
大阪凱旋公演をこの曲で盛り上げたる!との気合が空回りしてしまったのかもしれない。
それだけ本人の気合の入り方が凄かったということであろう。
何度も歌いなおす加護ちゃんを見て私はそう感じた。

大宮夜公演から突如始まった「アカペラコーナー」。
今までに「待つわ」「白い色は恋人の色」そして「大阪ラプソディ」と披露されてきた。
「デュオU&U」全15曲中、セットリストに加わっている曲は5曲。
セットリストとは別にW2人の意思で、アルバムからアカペラで3曲歌ったことにより、
計8曲が客前披露されたことになる。
残り公演数から考えても全曲披露されることはないであろうが、
ファンの気持ちを汲んで、アルバム15曲中の半分を超える8曲を
披露してくれたことは素晴らしいことであり、Wの2人には心から感謝したい気持ちでいっぱいだ。

余談になるが、今回のセットリストに「ちょこラブ」が入ってることが当初不思議だったのだが、
今にして思うとこの選曲は寺田氏の意地だったのかなと思う。
「デュオU&U」の曲だけで構成してしまうと、「寺田いらないやん!」という声に拍車がかかる可能性がある。
さすがに寺田としてもそれはマズイと感じたのだろう、意地でも寺田色を織り交ぜたいとの意向で
往年のミリオンナンバー「ちょこラブ」を寺田貯蔵庫から引っ張り出して来たのだろう。
Wが歌う「ちょこラブ」は圧倒的な魅力を放っているので、今ではこのツアーに無くてはならないものになっている。
私も2人が「ちょこラブ」を歌っているあの瞬間が非常に幸せなひとときとなっているので、今では文句は何も無い。
「デュオU&U」と戦わないと行けない寺田は「ちょこラブ」という自身の往年ソングをWに歌わせて
互角に持っていこうとしたのかもしれないが、W版「ちょこラブ」が更に寺田の首を締めてしまった可能性もある。
このW版「ちょこラブ」をまた超えねばならない訳だから。

W待望のシングルタイトルが「ロボキッス」に決まった。
「あぁ いいな!」で復活の兆しを見せた寺田が遂に本領発揮して来たと見ていいだろう。
タイトルを見ただけでここまで心が躍ったことも久しぶりだ。
年末を迎える大事な時期にあややにカバーを歌わせ、メロンをサムエルに書かせてまでも、
一点勝負して来た走召期待作「ロボキッス」。この作品に関してはまたおいおいと。




「大阪ラプソディ」披露という最高の煽りで観客を盛り上げたW。
土曜日とは打って変わり日曜日の観客はさすが大阪と思わせる盛り上がりを見せた。
そして、その観客のテンションを感じ取ったWの2人は夜公演で更なる攻撃を仕掛けて来た。


(日曜夜公演)
昼公演同様「大阪ラプソディ」を披露。
昼とは違い夜公演では見事に一発で完璧に決めて魅せる!
決める時は決めたるでぇ!と言わんばかりの完璧な披露であった。


「でね、もう一個あるんだよね!」

「もう一個あるね!」

「今日のためにちょっとね、関西ならではの、漫才をしちゃったりしちゃおうかな〜なんて!!(笑)」

観客大歓声!!

「こんばんはー!とか、ずっと横で練習してたんだよね(笑)」

「じゃあ、ちょっとやってみようか!」

「登場して来るか!(笑)」

観客大歓声!!

右と左に分かれて舞台袖に戻る。



〜史上初のW漫才〜


小走りで2人が登場して来る。

はいどうもぉぉぉぉぉぉ!!!

リーダーの辻希美と!

サブリーダーの加護亜依!

2人合わせて、ダブルユーでぇーす!!

いやーーね、なんかね、あっついじゃないですか

そうやねぇー

盛り上がってるやんな!

そうやねぇー

でもさ、盛り上がるって何?

テンションが上がるって意味やないの!?

あーテンションが上がるって何?

盛り上がるって意味やないの!?

だから、盛り上がるってどういう意味?

テンションが上がるって意味やないの!?

だからテンションが上がるってどういう意味?

盛り上がるって意味やないの!!

もぉー

ええわぁ〜!!


0.5秒ぐらい観客静まり返る。(圧倒されて声が出ない)

その後、大歓声!!

ステージの照明が青(?)に変わる。


「なんで青いのぉ〜!(笑)


「寒いの?寒いの?(笑)じゃあ、こうゆう時は・・・」


「はいー」(片足あげて手を広げてエスパー伊東のマネ)


観客大歓声!!



この後もステージ上で打ち合わせを始め、二度三度と舞台袖にはけて、
登場シーンから他のネタを繰り返すが、毎回途中で中断。
「漫才をしようとしても上手く漫才にならない」って事自体がすでに漫才(コント)として成立している。
決してグタグダにならず、毎回毎回笑いが生まれる所は貫禄であった。
同じ場所で3回公演を行ったのは、今ツアーでは初めてのことであったが、
回を重ねるごとにその前の回に上乗せした感じでパワーアップしているところは素晴らしかった。
私のようなリピーターの観客しか分からないようなネタ(前の回を見てないとついていけない話とか)ではなく
その公演を初めて見た人も楽しめて、リピーターも十分満足できる展開に常に持って行けるのはスゴイと思う。
漫才がうまく出来なかった時に「やっぱ漫才難しい!私達はダウンタウンさんにはなれないね。」と
加護ちゃんが発言していたが、何を話すか事前にほとんど決めておかず、ステージに出た時の乗りだけで、
毎回ここまで笑いを取る喋りができてる時点ですでにダウンタウンと肩を並べたと言っていいだろう。
初漫才ですでにダウンタウンを標的にしてたってとこがWの頼もしいとこでもあり恐ろしいとこでもあるが。


Wスタンバイツアー残すはあと6公演。



つじモニ。についてはこちらをどうぞ。(9月5日)